ただのモノローグ

しがないヘイホーが書く日記

松本、そして大阪へ(8月9日〜8月15日)

8月9日(金)

連休のはじまり。頬の裏にあるデカい口内炎が治らないまま休みを迎えてしまった。幸先悪し。おそらく先週行った歯医者で奥歯を削った時に、口の中まで引っかけられたのだと思う(麻酔がかかっていてすぐに気付かなかった)。原因がそれしか見当たらない。口内炎はただそこにあるだけで休みなくストレスを与えてくるので、間違いなくこの世の三大絶対悪にランクインする。

日中は家事を片付けつつダラダラ過ごして、夕方に中野駅まで行く。今日は真心ブラザーズの弾き語りライブだ。会場前に青葉のラーメンを食べる。サンプラザホールの閉館前は真心が毎年ライブをやっていたので、いつもここで食事をしていた。また来る機会があって嬉しい。ラーメンは美味かった。

特製中華そば

ライブはゆったり聴きつつ、2人のトークに爆笑したり。音頭町の新曲に合わせて楽しく盛り上がる。しかし公演の途中で、緊急地震速報が鳴って一時中断となった。何年もたくさんのライブに行ってきたけれど、こういうケースは初めてで、なんか新たな不安を植え付けられた感じがする。時間が経ってライブは無事に再開したのでよかった。

『真夏といえども』では客席みんなで手拍子をして、明るい雰囲気を取り戻す。90年代の曲だけど、現代の夏にも通ずるところがある歌詞。ギンギラギンに張り切らなくても、私個人の都合もあるのよ、お天道さん。予想外のトラブルが起きたけれど、のんびり楽しんだ良いライブだった。仕事で疲弊している精神によく効いた。

 

8月10日(土)

特急あずさ号に乗り、長野県の松本駅へ。ホテルのチェックインを済ませ、ライブが始まるまで周辺を観光する。城下町のようなオシャレな雰囲気が良い。東京では見られない街並みなので、歩いているだけでも楽しい。

松本城

縄手通りのクラフトアイス(シナモンとイチゴ)

冷たい水が流れている、オシャレなベンチ

 

今日は上土劇場にて、カミナリグモ山中さわおのツーマンライブ。2年前から、毎年夏に松本で開催されている公演で、今回で3度目の開催。僕は初めて来た。

 

1番手はさわおさん。『NO SELF CONTROL』、『プレイリーライダー』など、初めて聴く曲が続く。途中でカミナリグモghomaちゃんと一緒に演奏したのは、ミスチルのカバー曲『つよがり』。予想外の選曲だけど、ピアノ伴奏の中で歌われるセンチメンタルな歌詞にうっとりした(さわおさんはハンドマイクで歌った)。最近の対バンツアーで披露したカバー曲3つはどれも分からなかったけど、最後の『That's a wonderful world』は手拍子をしながら楽しく聴けた。くたばれビルゲイツ!は流石に笑う。

続くカミナリグモは、2022年の年末ライブ以来に観る(その時もさわおさんとの対バンだった)。「ああ 今日は何でいい日だ」という歌い出しから始まったのは『ソファ』。『美しい世界』では、ギターとピアニカだけの優しい音をゆったり聴いた。上野啓示さんの優しい歌声ともよく混ざり合う。ピロウズのカバーでは『ICE PICK』を、続いてさわおさんとの共演ではカミナリグモの『アイスグリーン』を演奏する。カミナリグモは絵本の物語を想像させる歌詞が特徴的だけど、さわおさんが歌うと、一気に男らしさとリアリティが増す。とても良かった。

 

アンコールで再び3人がステージに立ち、演奏されたのはピロウズの曲、『ONE LIFE』。僕がピロウズを好きになったきっかけである、大切な曲だ。まさかここで聴けるとは思わなかった。ピアノで奏でられるイントロのメロディに気持ちを引き込まれる。「立ち止まればそれまで 僕が終わる印」という言葉を聞いて、いろんな気持ちが込み上がってしまい、歌や演奏を聴く余裕もなく泣いてしまった。涙よりも嗚咽がとめどなく漏れる。10代の時に強く影響を受けた音楽は、30手前の今でも深く刺さった。

松本の街は、啓示さんが音楽を始めて、同時にピロウズにもとことんハマった始まりの地。そんな場所で、自分もピロウズを好きになった頃の気持ちを思い出したみたいだった。ONE LIFEの歌詞にまだ感動出来る自分がいることを忘れないようにしたい。今日はいい日だった。来て良かった。

 

終演後も心臓がバクバクで、酒も飲んでないのに喉が嗄れてしまった。知人と街の居酒屋で、長野の名物を食べたりなどする。山賊焼や信州そばなど。解散して夜の松本城を一目見てからホテルに戻った。

 

8月11日(日)

9時半にホテルをチェックアウト。部屋が肌寒かったので、陽の光が温かく感じた。日差しが強烈過ぎてすぐにうんざりしてしまうけど。松本の街、オシャレで良いけれど、ブロック舗装が多くて道路工事がめんどくさそうと思った。自分の職種がそちら側なので、脳裏に余計な考えが浮かぶ。でもまだまだ歩き足りないので、ふらっと目的もなく旅行に来るなどしてみたい。

 

特急と新幹線を乗り継いで、松本から大阪まで移動する。大阪駅で家族と落ち合うことになっていた。今年のお盆は母方の祖母に会うようにと、何ヶ月か前に指示があったのだ。ずっと大阪に住んでいる姉と先に会う。5年ぶりに会うのもあって、お互いに顔の記憶がおぼろげだった。そんな状態で大阪駅の中央口で待ち合わせとか、無理があるだろ。人が多すぎる。すれ違いざま、姉の存在に気付いた自分の記憶力を褒めてやりたい。

徳島からのバスで来た母とも合流。駅ビルの中華で軽く食事してから、母の実家へ行く。祖母とは10年以上会っていなくて、記憶以上に歳をとっていることを実感させられた。具体的には、背中がすっかり丸まっていて縮こまっている。腰を痛めて思うように動けないのだそう。家には叔母家族も居て、3つ年下の従兄弟は自分の身長を優に追い越していた。

家族で集まって寿司を食べるなど。帰り際、祖母に呼ばれて何事かと思ったら、なんと1万円札を手渡してくれた。30手前の、社会人生活もかなり長くなったところで「おばあちゃんから小遣いをもらう」イベントに出会うとは思わなかった。ありがとう。思い出したらまた来るよ。

大阪で撮った写真がこれしかない

 

8月12日(月)

姉の家で一泊。目が覚めた途端、早く東京に帰りたい気持ちが強くなり、しかし途中まで家族と共に行動しなければならないことがダルかった。帰省は日帰りがいちばんいいんだよな。それ以上だと飽きてしまい、気持ちが休まらなくなる。早く1人になりたい。

予定より早く帰られそうなので、新幹線の乗車時間を1時間半くらい前倒ししてもらった。家族とは大阪駅で別れ、自分は新大阪に向かったのだけど、そこでも1時間以上待つことに。お盆休みの真っ只中、駅の待合室は人間の声で溢れかえる。しんどい。イヤホンを付けて、自分の乗る便が案内板に表示されるまでじっと耐える。

東京に着いて帰宅すると、すぐにシャワーを浴びてぐったり。すごくしんどいわけではないけれど、頭がガンガンしていて軽い熱中症だと分かる。帽子を被っていても極力日陰で居るようにしても、長時間外にいると熱中症の症状が出てしまうので、やっぱり今年の夏は一味違うと思う。日傘を買った方がよかったか。おでこに冷えピタを貼ると落ち着く。

 

8月13日(火)

昼前にだらだら起きる。知人の企画に出すための創作を進めた。作品の土台は大体出来たので、あとはデザインをどうするかだ。そっち方面のセンスがまるでないので不安になる。

夕方、ご飯のついでに気になっている本を探しにショッピングモールまで行く。自分の街の大きな書店がここぐらいしかなく、しかし品揃えが微妙なイメージがあったけど、今日は欲しいものが見つかってよかった。なか卯のマグロユッケ丼を食べて帰宅。

 

8月14日(水)

雨が降っていなさそうな時間を狙ってスタジオを予約する。念のため折りたたみ傘も持っていたけれど、結局雨は降らなかったな。スタジオではライブのセトリをひと通り叩くとやる気がなくなってしまった。1時間くらい、適当に遊んで過ごす。本番までちょうど1ヶ月か。

企画の創作が完成したので、夜、相手にメールで送った。やることがひとつ片付いて安心。残りの作業は比較的自分のペースで進められるので、ほどほどにやっていこう。

 

8月15日(木)

連休最終日は焦りのせいか、朝早い時間に目が覚めてしまう。松本で自分用に買っていた城下町タルトを朝食に食べた。ブルーベリー、リンゴ、アーモンド、クリームチーズと、いろんな味のタルトが入っていた。

今日もスタジオに行こうと思ったけど、やめた。バンドで集まる日も割とあるし、今はどちらかというとそちらの練習に重きを置くべきである気がした。腕が鈍らないように週1で個人練を入れる習慣は続けるけれど。時々タバコを吸いながら本を読んで過ごす。一度外に出て、文学フリマの出店料を振り込んだ。

宮崎智之『平熱のまま、この世界に熱狂したい』を読む。アルコール依存症やパートナーとの離婚を経て、禁酒に取り組んだ「平熱」の中で、己の弱さや寂しさと向き合うエッセイ。著者自身の内面や最低限の身の回りことを、丁寧に優しく、時には面白く書き記されていて心地良い温度感があった。ちょうど自分が向き合いたいテーマと似ている部分もある。こういうエッセイが書きたいのかな。

文フリに向けて作る新作について、これでいいのかなぁという不安がずっと付き纏っている。もっと自分を深く見つめないといけない。もうひとつ作りたいものをきちんとやり終えて、それから原稿と向き合おう。明日は1日出勤して、それからまた休み。