ただのモノローグ

しがないヘイホーが書く日記

ルーツをたどる(11月23日〜11月27日)

11月23日(木)

祝日。今日から5連休だ。実家の徳島へ帰るため、早めに起きた。

これまでは毎回夜行バスで帰省していたのだけど、30歳を手前にして身体が耐えられなくなってきたので飛行機を予約した。新幹線が通っている所は羨ましい…。どれだけ荷物を減らせるかを考え過ぎて、準備に時間がかかってしまう。

搭乗手続きに軽く手間取ってしまいバタバタ。飛行機の乗り方すらも忘れてしまっていた。保安検査を済ませ、崎陽軒のシウマイを買って食べた。

1時間半くらいで徳島に着く。音楽を聴いているとあっという間。3年ぶりの帰省だ。

帰宅してまず驚いたのは、親がハムスターを飼っていたことだ。時々小屋から出てきては餌を食べたり水を飲んだり、滑車を回したりしている。かわいい。

横になったら一瞬で寝落ちしてしまった。昨日は会社の飲み会があったので寝不足だったのだ。

 

11月24日(金)

長時間寝たせいか早めに目が覚める。親は仕事で居ないので、静かで居心地が最高。持って来ていた本を読みながら、ハムスターが動けばその様子を眺めたりする。おがくずの中でずっとゴソゴソやっていた。

 

電車…ではなく汽車に乗って徳島駅へ行く。(徳島は電車が通っておらず、JRはすべてディーゼル車である。)久しぶりにロープウェイで眉山に登った。ココアを飲みながら眉山公園をうろつく。学生の時にふらっと来た時は、景色だけ眺めてサッと帰った記憶があり、山頂に色々あることを分かっていなかった。

紅葉

下山したあとは水際公園など、これも学生時代によく歩いた所を歩いてみる。行きつけだった楽器屋が無くなっていたのは結構衝撃だった。店の名前は忘れてしまったけど。駅前の麺王で徳島ラーメンを食べてから帰宅。にんにくラーメンが美味しかった。

関東郊外の住宅地を歩くと「この風景、案外地元と変わらないんじゃね?」という錯覚に陥っていたけど、実際は全然違う。田舎の方が、圧倒的に景色がスカスカなのだ。建物が全体的に低かったり、所どころ歯抜けのような状態だったり。実家から最寄駅の道を歩くだけでその寂れようがよく分かる。いろんな店が潰れている代わりに、新しいコンビニが1軒増えていた。

 

11月25日(土)

友人の車で香川まで行ってきた。直接会うのは3年ぶりだけど、ツイッターで近況は大体知っているので久しぶりという感じはあまりない。友人に自分の日記本を献本した。道の駅で海を眺めたり、うどんを食べたりする。

車の中では近況を掘り下げた話や、会社の愚痴などを話す。お互い状況は違っていて僕は割と恵まている方なのかもしれないけれど、やっぱり将来が不安だ。しょうもない話をしている時がいちばん楽しい。

昼のうどんの前にパンも食べていたので、午後は強烈な眠気に襲われた。糖質の過剰摂取。帰りはほとんど助手席で寝ていた。津田の松原SAの展望台にも寄ったけど、分厚い雲がかかっていてあんまり良い景色とは思えなかった。

 

徳島に戻り、車を友人の自宅に置いてからクラフトビールの店で飲んだ。最初に頼んだビールは香りが良く美味しかった(下の写真)。でも僕は黒ビールがあんまり得意じゃないな。

ピクルスが美味くて2回注文した

飲みのあとのカラオケは僕が提案したのだけど、1日中喋ったりしていたので案の定喉はボロボロ。普段ヒトカラで歌えるキーすらも声が届かず落ち込む。まぁこういうところも知っているであろうやつなので、あんまり気負いなくいられる。

友人の歌った1曲目がピロウズの『Come on,Ghost』だったり、山中さわおソロの『サナトリウムの長い午後』を知っているようで、なんか嬉しくなった。終電の時間に解散した。

 

11月26日(日)

母親と近所で昼食を食べ、空港まで送ってもらう。昨日の疲れが残っていて、車の中ではずっとイヤホンをつけながら目を閉じていた。

数日ぶりの東京はえらく寒かった。そして家の周りは常に人の声がしてやかましい。実家のいいところはずっと静かなことである。もう1日ぐらい滞在したかったけど、丸1日は東京に居ないとしんどいんだよな。帰ってきて翌日即仕事、が嫌なので、精神的に慣らしていく感じ。

 

11月27日(月)

今日も有休。朝食を食べてから、日記本の発送作業を済ませた。

 

床屋で散髪をしてもらったあと、久しぶりにスーパー銭湯へ。サウナにハマっていた頃は月1〜2回の頻度で通っていたけれど、最近は滅多に行かなくなった。

平日の昼間なので浴室は割と空いている(それでも多いけど)。室内と露天、両方の浴槽にじっくり浸かってからサウナ。水風呂から出てちょうど空いていた休憩用ベッドで横になると、すごく気持ちよかった。目を閉じると脳ミソがぐるんぐるん回っているようで、寒さに耐えられなくなるまでサウナトリップを堪能した。

サウナと水風呂をもう1巡し、湯船で身体を温め直して風呂から出る。食堂でカレーを食べた。サウナのあとのカレーは美味い。

 

帰宅してからはずっと読書。『アルジャーノンに花束を』を読み終えた。知能の低い青年が手術によって賢くなり、そこから自身の過去を思い出しつつ、短期間で様々な経験をしていく物語。主人公・チャーリィ自身の経過報告という日々の記録でストーリーが進んでいく様は、直近で日記本を作った僕にとって刺さるものがあった。

終盤のチャーリィは知能こそ戻り、いろんな知識が抜け落ちてしまったが、数ヶ月のあいだでたくさんのことを経験たことによるおかげか、その振る舞いは初めの頃ともまた違っていた。長い夢のような月日の中で得たものと、彼本来の優しさが混ざり合い、しっかりと自分の意思で動こうとしている。そこに温かい何かを感じたので、訳者のあとがきで本作が「結末が暗い」という理由で雑誌への掲載を拒否された背景を知り、正直驚いた。

この本はヨルシカのライブの物販で買ったもので、読み終えた後に『アルジャーノン』を聴いたのだった。