ただのモノローグ

しがないヘイホーが書く日記

さびれたコスモスと満員電車

在宅勤務の日は、終業後に何となく散歩をするのが日課になってきた。1日中部屋にこもっていると、どうしても外へ出たくてウズウズしてしまう。

10月になってやたら暑くなる日もあったけど、それでも夕方になれば気温も下がってうろつきやすい。

今の自分の中では散歩コース(ほとんど歩く方向の違い)が4つほどあるので、それらを日ごとに順繰りに歩いたりすることで飽きずにいられる。

 

少し前、歩道の街路樹の下にコスモスがちょこんと咲いているのを見かけた。写真を撮りたかったけどスマホを持っていない状態だったので、また日を改めて撮りに来ようと思っていた。

ところがその翌日に天気が少し荒れたせいか、次に来た時点で一応花は咲いていたものの、明らかに弱々しくしなびていて悲しかった。記憶の中では今年見られた唯一のコスモスだ。

スピッツの花鳥風月+をようやくWALKMANに取り込み、コスモスという曲を久しぶりに聴いた。レトロなスピッツでいい曲だけど、哀しい。哀しすぎる。

 

 

ハライチ岩井さんのエッセイ「どうやら僕の日常生活はまちがっている」を読んだ。

僕はテレビもお笑いも全然見ないしラジオ文化も全く通らなかったので詳しくないんだけど、

思いっきり日常を書こう。ただの35歳の独身男が、一人暮らしを送る。買い物に行ったり、習い事をしたり、引っ越しをしたりする。そんな取るに足らない毎日をつらつら書いてやる。 (「はじめに」及び本の帯の文章より)

この言葉にすごく惹かれた。こういう文章は大好物だ。

 

感想っぽいことを書くと、岩井さんは音楽の感性が自分と似ていることが分かって嬉しかった。洋楽を聴かないこととか、ライブは本当に好きなアーティストのワンマンに行くだけで、フェスや対バンには殆ど行かないこととか。(唯一違う点は、僕は自宅でライブの映像を殆ど観ないところくらい。)

あと一番好きなバンドがスピッツというのもよい。っていうか僕と同じだ。なんかこういうことを知るだけでも親近感が湧く。そしてそんな人が書く日常の文章を、僕が好きにならない訳がない。

 

 

木曜日の夜、突如大きな地震が発生した。震源地は千葉県で、僕の住んでいる地域は震度4。ただ、体感で震度5くらいあったんじゃないの、と思うぐらいに激しくぐわんぐわん揺れた。

その日はたまたま時間休で会社を早上がりしていて、かといって何も特別なことはやらず淡々と過ごして22時頃に就寝したのだけど、強すぎる揺れとスマホ緊急地震速報により一瞬で叩き起こされた。(そして直後に母親から安否確認の電話が来たが、寝ぼけていて全く話が分からなかった。)

 

緊急地震速報、あのひたすら心臓に悪い効果音、いつも思うけどもう少し何とかならないのか。あれだと余計に不安を煽ったりパニックを増長させているとしか思えない。

危険を知らせるならば「地震です」ってアナウンスを強調すればいいだけで、あとは普段設定している効果音を最大音量で鳴らさせる程度で十分伝わると思うのだけど、そこまで器用なことはできないか…。

 

翌日の朝、電車の遅延で駅のホームがものすごい渋滞に。エスカレーターを上り切って見えた光景にゾッとした。テレワーク普及とは何だったんだろう。

1本目に来た電車には乗れずに見送り、2本目のやつにギリギリ乗り込めた。この時点で既に普段より15分ほど遅れているけれど。

満員電車のイデアというものを久々に体験した。東京で何年か社会人をやっているけど、出勤時間が異常なレベルで早かったり、混雑する便を避けていたりで、絵に描いたような満員電車とは長いあいだ無縁だったのだ。せいぜい現場時代の残業帰りにやや混んでいる程度のものだった。

 

こういう満員電車の窮屈な状況に陥った時の対処法は、自分なりに身に付けている。「自分の前方になるべく空間を作る」ことと、「あえて無心になり身体の力を抜く」ことだ。

前者はなるべく深呼吸がしやすい体制を作ることを意識するのが大事だ。リュックや肩掛けかばんを前に身に付けたり、手ぶらの状態でもお腹に腕を置いておくだけでかなり楽になったりする。

後者については、ギュウギュウな状況で変に身体を強張らせても、余計に体力を消耗するだけで意味がないということに気付いたのだ。どうせ人との密着状態は避けられないのだし。

満員電車の中で揺れが起きても、経験上転んだり倒れたりすることはほぼない。周りの人間は壁だと思い込んで、遠慮なく自分の身体を支えてもらおう。あからさまに他人に寄りかかるとたぶん怒られるので、あくまで直立した状態で力を抜くこと。

 

この日も上記の2点を意識して、かばんの中の手作りおにぎりが潰されながらも何とか目的の駅まで辿り着いた。

ヘトヘトのまま出社したのだけど、周りも軒並み遅れていたので安心しつつ自分の席で呼吸を整えたりしていた。僕も20分ほど遅れた形だったけど、これでも早い方だったのだ。淡々と仕事をして定時に退社する。

 

 

他には在宅勤務の合間に、自宅の小物置き場(カラーボックスの上部分)を整理したり、軽く断捨離などすることで部屋が少しきれいになった。

机の上にペン立てとデジタル時計以外に物がなくなってスッキリ。実家から年末帰省ストップ令が出たので、まだまだ東京で日々を耐え忍ぶ生活は続く。

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