ただのモノローグ

しがないヘイホーが書く日記

強い赤(10月やや後半の日記)

10月16日(月)

仕事を時間休で早退し、床屋で散髪をしてもらった。切り終えた直後はそんなに減ってないのでは?と思ってしまうけど、頭を流すとサッパリ具合が段違い。

 

スピッツの「ひみつスタジオ」、改めてしっかり聴くと素晴らしいアルバムだ。コロナ禍で塞ぎ込んでいた時代からの明るい解放、って感じがする。押し付けがましいところが一切無く、優しく包み込んでくれる温かさがスピッツらしくてよい。

1曲目の『i-O(修理のうた)』でいきなりあたたかく泣かせてくるのかと思ったら、終盤で『讃歌』という真のガチ泣き曲が来る。サビのメロディはある意味反則的だ。これを聴くだけで何となく救われた気分になるのは僕だけだろうか。

讃歌

讃歌

あと、男4人で集まって『オバケのロックバンド』を変わるがわる歌うのも楽しいだろうな。僕でも無理なく歌える原曲キー。

 

10月17日(火)

冬は気温が下がり、それにつられて精神状態もどんどん悪くなるという風に考えていたけれど、半分くらいはまやかしだ。単純な寒さや日の出の遅さによる環境的要因は否定出来ないとはいえ、実際は溜まっている仕事やプライベートのことなど、何か直接的な原因が必ずある。経験上。

僕に限って言えば、春夏秋冬いつでもどこかが憂鬱である。なのでしんどいのは冬のせいだとか、そういう漠然としたことを言うのはなるべくやめたい。風邪などで物理的に体調を崩してしまうことは大目に見てください(個人的には、冬より夏の方が体調そのものは崩れやすいと思っているが)。

 

今さらだけど、平日の起床時間が異様に早いことが嫌になってきた。いつも朝の5時半に起きるのが何年つらくなっている。現場時代はもっと早く起きていたし(それもそれでおかしいけど)、今よりスッと起きられていたような気がするが。年齢の影響よりも単純に気力が無くなっていることが原因かも。

時差出勤の影響で本来の始業時間が早まっているのが大きな要因なのだけど、朝起きて、ご飯食べて、歯を磨き顔を洗い、昼食(雑なおにぎり)を作り、着替えて出発、という流れだと、慌てずやると1時間くらいはかかる。今では始業時間も元に戻してもらえるそうなのだけど、しかし同時に退勤時間も早いことによる恩恵も大きいんだよな。定時上がりでライブに直行出来るし。

 

印刷会社から連絡が来る。原稿の修正を確認し、製本に取りかかることになった。必要部数は文フリ当日に会場へ届くようにしているのだけど、予備として作ってもらえる1冊だけは早めに自宅に届くよう依頼している。日記本を作ること自体が目標でもあるので、早く完成品が見たいな。

 

10月20日(金)

仕事休み。日記本の入稿作業も終わったので気楽だ。適当に昼ご飯を食べ、スタジオ近くの喫茶店でパフェを食べた。入稿を終えた自分へのちょっとしたご褒美。

お会計の時に店の人から「◯◯のファンですか?」と訊かれたが、普通に違うので「いいえ」と答えた。某男性アイドルグループのMV撮影ロケ地であるらしく、ファンからするとちょっとした聖地になっているっぽい。曜日や時間帯によっては若い女性が大人数居て、特定の場所を写真撮影してるんだよな。個人練の前に何度も来ている店だし、顔を覚えられたか。

 

新宿ピカデリーへ、『くるりのえいが』を観に行く。オリジナルメンバーでドラムの森信行さんを迎えて「感覚は道標」のアルバムを制作した時のドキュメント映像だ。

自分がドラムをやっていることもあり、森さんのプレイと順応の速さに終始感動していた。技術力と引き出しの多さ。映画館の音響設備でくるりの曲がじっくり聴くと、何だか良い気分になった。

途中、京都でのライブシーンで『尼崎の魚』が流れた。代表曲『東京』と同じく、くるりが最初に発表した曲だ。僕がくるりを知った頃、仕事がボロボロな自分と、この曲の歌詞をいつも重ねて聴いていた。東京と同じく大切に扱ってくれている感じがして嬉しい。

 

映画のあとは渋谷へ移動。くるりとカネコアヤノのツーマンライブだ。くるりのえいがを観てくるりのライブを観る。

初めの出番はカネコアヤノ。ライブを観るのは初めてだけど、バンドの音に全然負けない歌声の力強さが印象的だった。『爛漫』では燃えるような赤色を感じた。音源としては、僕が初めて聴いたカネコさんの曲だ。

好きな曲『りぼんのてほどき』が聴けたので嬉しかった。曲間のMCはなく淡々と進んでいく。『わたしたちへ』の壮大な演奏に圧倒され、出番は終了した。

 

後半のくるりは、映画で制作過程を見た新曲が色々聴けた。『In Your Life』、『California coconuts』、『世界はこのまま終わらない』。くるりらしいと思えるところや、目新しさを感じる不思議な感覚など、この3曲だけでくるりのいろんな側面が見られる。

壮大なロックバラード『潮風のアリア』を久しぶりに聴く。アンコールの『ロックンロール』では、「あなたを思う本当の心があれば 僕はすべてを失えるんだ」という歌詞を、心の中で噛み締めながら聴いた。くるりスピッツと同じように、中学ぐらいに知りたかったなと思ってしまう。歌詞とか関係なく音楽を楽しめたあの頃にハマりたかった。

 

会場の渋谷クアトロは今年で35周年。今日のライブもアニバーサリーの一環だった。ダルマの頭に矢印型の付箋が貼ってあり、近付いてみると、今日の出演者のサインがあった。近くの店で塩ラーメンを食べて帰宅する。

 

 

10月21日(土)

昨日の疲れでぐったり。布団の上でゴロゴロしながら日記を書いた。

読切漫画『なんにもない、なんでもない』を読む。自分がずっと抱えている気持ちがそっくりそのまま描かれているみたいだった。なので逆に普通のことを言っているように見える。死を間近で見て生について考える、優しくて分かりやすく、美しい物語だなと思った。僕は好きだ。